2007/08/16

紋章:ペトロの鍵、闘う獅子、そして開かれた街へ

ライデンの街を歩いていると、繰り返し見かけるものがあります。
"X"を描くように交差する2本の赤い鍵です。

ライデン市内を巡る運河にかかる無数の橋や、街中に散らばる歴史がしみついていそうな建物、観光案内所のパンフレットにも、必ずと言っていいほど鍵のマークが。ときには、鍵の描かれた盾をライオンが支えていることもあります。そのライオンは1頭のときもあれば、盾の両脇に2頭いることも。

写真は、ビュルフト要塞前の門の彫刻(1658年建造)

実はこれ、ライデン市の紋章です。少なくともライデンが都市の特権を獲得した13世紀には、この鍵がライデン市の紋章としてシール(文書に蝋をたらして押す印)に使われていたようです。由来は、ライデン最古の教会、1121年設立の聖ピータース教会(蘭: Pieterskerk)にあります。 聖ピーターとは、日本では聖ペテロと呼ばれるキリスト12使徒の一人。聖書によると、キリストはペテロに神の国への鍵を与えると言ったとか。このことから、ライデンの紋章は聖ピータース教会の聖人ペテロにちなみ、神の国への鍵となったのです。

では、なぜライオンがいたり、そのライオンの数も違っていたり、王冠があったりなかったり、統一されていないのか。 いえいえ、現在では、きちんとライデン市の紋章として定められたデザインがあります。


写真は、市門 Zijlpoort の彫刻(1667年建造)


統一されていないように見えるのは、紋章の歴史が古く、時代により異なるデザインが用いられ、なおかつそれらのデザインの紋章を掲げる古い建物が現在まで残っていて、わたしたちの目に触れるからです。

盾があろうと、王冠があろうと、ライオンがいようと、どの場合でも必ず描かれているのは、交差する2本の赤い鍵。"Sleutel Stad"("sleutel"とは鍵、"stad"とは街のこと)と言えば、ライデンのこと。たとえば、ライデンのニュースを掲載するサイトの名前は Sleutelstad.nl です。
写真は、運河にかかる橋に刻まれた紋章

現在のライデン市の紋章は、冒頭の写真「ビュルフト要塞前の門の彫刻」が一番近いでしょう。交差する2本の赤い鍵が描かれた銀色の盾、その盾を左前足で支え、右前足は金の束に銀色の刃の剣を振り上げたライオン。そして"Haec libertatis ergo(英:This is for freedom)"の文字。
ビュルフト要塞前の門外側には"Pugno pro patria(英:I fight for my country)


ライオンや上記のラテン語の文字が市の紋章としてシール(印)に表れはじめたのは、スペインからの独立戦争を闘った16世紀のことだとか。

紋章とは別に、ライデン市には、市のオフィシャル・ロゴがあります。
紋章の交差する2本の鍵に、開かれた扉を合わせた赤と白のデザイン。鍵はライデンの歴史に加え安全を表し、扉は新しいもの・人を快く受け入れる態度を示しています 目指す姿が明確であれば、日本の自治体もロゴ作りが円滑に進むのでは・・・。


写真は、公共のゴミ箱に描かれているライデン市のロゴ

紋章を見かけたら足を止めてみましょう。2本の赤い鍵は、歴史ある建造物であるしるし。ガイドブックには載っていなくても、逸話の隠れた見どころを目の前にしているに違いありません。


写真は、旧裁判所(13世紀建造)の西側建増部分Vierschaar(17世紀建造)

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2007/07/26

旅行者に親切な街

ライデンは旅行者に親切な街です。

街のところどころに大きな市街地地図があります。

現在地もおしえてくれるので、旅行者の強い味方です。

また、迷いやすい分かれ道には緑の棒に白い旗というかんじのサイン(写真)があり、どっちに行けば何があるかおしえてくれます。
ガイドブックやTourist Informationでもらえる地図(英語とオランダ語の併記)に載っている見どころのオランダ語表記と、サインを見比べてみましょう。

サインに最も頻繁に出てくるのが"Leidse Loper"。いろんな場所で、いろんな方角を指していて、その通り進んでも全然たどり着かない。いったい何処にあるねん!


実はこれ、建物の名称ではなく、ライデンの主要な見どころをまわる街歩きルートのこと。
Leidse Loper (英:Leiden's Walk)に選ばれた見どころのそばには、観光客が見逃すことのないようよう、STOPサインが出ています。その見どころの名称も、STOPサインの上に赤字で書いてあります。
写真は、旧裁判所(蘭:Gravensteen)のSTOPサイン。

見どころには、歴史や逸話などを説明するボードがあります。説明はオランダ語と英語。
両言語とも苦手な場合は説明の横にある絵をじっくり見ましょう。これはという歴史の一場面が描かれていたりして、それだけでも物語が伝わってきます。

写真は、旧裁判所(蘭:Gravensteen)の説明ボード。
絵は、中世に旧裁判所前の広場Gerechtで行われた公開処刑の様子です。


もちろん、"Leidse Loper"以外にも、魅力ある見どころがたくさんあります。
街歩きの際に、茶色のボードを見かけたら、是非立ち止まってみてください。その建造物の由来がオランダ語と英語で説明されています。たまに、オランダ語しか書かれていないときも、建造年を表す数字は分かるはず。

また、英語とオランダ語は同一または似ている単語も少なくないので、school(英:school)= 学校、schip(英:ship)= 船に関係ある建物、などと推測できます。
さらには、近所の人に英語で(もちろんオランダ語でも)尋ねるという方法も。親切な人が多いので、時間が許せば知っていることをおしえてくれるはずです。

ライデンでは、少しくらい迷っても大丈夫。

いえ、むしろ、そのほうが思わぬ発見ができるかも。
説明ボードはなくても、旅人の興味をかきたてる歴史を刻む建物が、いたるところで待ちかまえていますから。

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