2007/02/14

図書館の利用は有料?

図書館。学校のものにしろ、地域のものにしろ、時間が許す限りヘビーユーザであった筆者。 そんな筆者がライデンに着いて最初に確認したことの一つが、図書館の利用方法でした。 布団の中で本を読まないと眠りにつけないという難儀な習慣のせいです。

大学の図書館。
これは大学の関係者であれば、閲覧および借出が可能です。 大学の関係者でなくても、図書館に入ることはできるので、開架図書の閲覧はできます。 しかし、眠りに誘ってくれそうな軽めの小説(英語)は、大学の図書館には置いてないことが判明。
筆者が通っていた日本の大学には、書店で平積みされているような推理小説まであったのに。 アメリカの州立大学にも、ベストセラーのペーパバックが並んでいたのに。 ひょっとしたらオランダ語の現代小説があるのかもしれないけれど、さすがに辞書を片手に布団に入るのは・・・。

公共図書館。
ライデンには市立図書館が複数箇所にあります。
市街地近くに住んでいる筆者にとって、最も近くて便利なのは中央図書館(蘭:Centrale Bibliotheek)。ビュルフト要塞(蘭:burcht)のすぐ前というライデンの歴史的中心の場所にあるだけあって、煉瓦造りで中庭のある立派な建物です。もちろんオランダ語の書籍に加え、英語・ドイツ語・フランス語・イタリア語・スペイン語の本(外国語書籍は主に小説)も外国語書籍のコーナーに並べられています。筆者の好みの作家の本も数冊あるのを発見しました。

が、ここで一つ問題が。
オランダの図書館は、有料なのです。
ライデンの場合、まず会員になるのに€ 28。
会員になれば、書籍の借出は無料ですが、CDやDVDの借出、図書館内でのインターネットの利用には、その都度料金を支払わなければなりません。また、借出期限を超過すると、その日数分、超過料金が科されます。

筆者の場合、借りて読みたいと思う本はせいぜい数冊。それなら、図書館の会員になるより気に入った本を購入したほうがいいか、という結論に達しました。
とは言え、座り心地の良い椅子や陽射しの暖かい静かな中庭、ビュルフト要塞を正面に臨む窓からの景色に誘われて、図書館には足を運んでいます。図書館内にあるカフェのコーヒーとともに、何百年という歴史のある建物に囲まれて、ちょっと気になる本や雑誌に目を通す週末の昼下がり。これもライデン生活の醍醐味の一つかも。

ところで、最初はショックでさえあった公共図書館の有料制度。ある意味、理にかなっているようにも思えます。
まず、利用者負担というところが明快です。もちろん、市の予算も注ぎ込まれているでしょうから、税金という形で図書館を利用していない人も経費の一部を負担していることになるのでしょう。それでも、筆者の知る日本の市立図書館のように、全ての経費を市の予算で賄うというのとは、異なります。
そして、延滞に対して超過料金が科されるのも納得です。筆者が子どものころ過ごした地域の図書館は、本を期限までに返さないと、しばらく本の借出ができなくなるという罰則がありました。しかし、その後引っ越した先の図書館は、3週間近く期限を過ぎているのにペナルティが全くなく、驚いたものです。延滞という行為によって、より多くの人が(公共の資源となった)本を利用する機会を妨げたのですから、相応のペナルティが科されるのは当然と言えるのでしょう。もちろん、ペナルティの存在により、期限通りに本を返却するという利用者のマナー向上が期待できることは言うまでもありません。
そうそう、年齢や経済状況に応じて割引・無料となる仕組みが用意されていることを言っておかなければ。18歳未満は無料、65歳以上は€ 18で会員になれます。週末には、子ども連れのパパ・ママが多いわけですね。

また、数ヶ月に1度の割合で、いらなくなった図書館の本・雑誌を販売するboekenmarktも開かれています。前回は、大人向けの本は1冊€ 1、子供向けの本は一冊€ 0.5で販売されていました。この機に、絵本を大人買いする若い親も。

ライデンの中央図書館。機会があれば、立ち寄ることをお勧めします。立ち寄るだけなら、有料ではありませんから。

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